原料高と環境規制が価格を押し上げ
2026年に入り、ステンレス業界は原料価格の高騰と各国の規制強化という二つの大きな波に直面しています。特に、ステンレスの主原料であるニッケルは、主要生産国インドネシアによる2026年の鉱石採掘枠(クォータ)大幅削減の観測を受け、LME価格が急騰。この影響で、日本の鉄鋼メーカーは2026年1月契約分のニッケ系ステンレス冷延鋼板について、店売り価格を1トン当たり5,000円(32米ドル)引き上げました 。これで値上げは4ヶ月連続となり、8月契約からの累積では3万円に達しています 。
関税問題と需給ギャップ
国際貿易の面では、米国が1974年通商法122条を発動し、ステンレスを含む幅広い輸入品に10~15%の追加関税を課すことを決定 。これにより、世界のステンレス製品の流れが大きく変わる可能性が指摘されています。また、EUではインドやインドネシア産ステンレス冷延製品に対するアンチダンピング(AD)税の失効(2026年11月)を控え、業界の緊張が高まっています 。
国内市場に目を向けると、工場稼働率は薄板・厚板ともに80%強で安定しているものの、非対象国からの冷延鋼板の輸入増加が確認されており、業界団体は注視を続けています 。SMM(上海有色網)の分析によれば、2月時点で中国市場は「生産減・在庫増・コスト支援」という複雑な状態にあり、需要の本格的回復はこれからだとしています 。
ステンレス板金加工業への影響
このような状況下、板金加工業界では材料費の高騰が収益を圧迫。一方で、環境規制(CBAMなど)に対応した「グリーン鋼材」へのシフトや、高機能材への需要が徐々に高まっており、単なる価格競争から、カーボンフットプリント管理やトレーサビリティ(履歴管理)を含めた総合的な提案力が問われる時代に入っています。
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